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タブレットはイラストに不向き?ノートPCのほうが安価な場合も・・・
Created: 2017/4/16 (日) PM 10:53Last updated: 2021/6/6 (日) PM 8:38
筆者が本格的にイラスト制作を始めた8年前は、デジタルイラストと言えばデスクトップPCで、タブレットはおろか、ノートPCも制作環境としては不適であると言われてきた。
しかし、現在では、iPadやスマートフォンに対応したイラスト制作アプリも一般的になり、"手軽なデジタルイラストの画材"としてタブレットが選択される場合も多い。
だが、果たして、タブレットでのイラスト制作は作業効率や画力向上の観点から適切なのであろうか?
この記事では、タブレットでのイラスト制作の是非について検討したい。
一般的なタブレットでのイラスト制作
まずは、iPadなどの一般的なタブレットでのイラスト制作であるが、結論を言ってしまうと、これは以下の観点からおすすめできない。筆圧検知に対応していない
まず最初の問題点は、筆圧検知に対応していないことである。筆圧検知に対応していない環境では、線の太さを加減することによる表現が困難となっていかにも素人らしい絵になってしまうだけでなく、力加減を無視して描く癖がついてしまい、画力の向上が望めない。
当然、「指で描く」などもってのほかである。
機種によっては別売りの筆圧検知対応ペンが販売されている場合があるものの、そういった製品は本体・ペンともに高額であり、同価格帯により高性能なノートPCが存在することを考えると第一の選択肢とはならない。
左手キーボードの選択肢が限られる
デジタルイラストでは、Undoやツールの切り替えなど、様々な機能を左手キーボードに割り当てて作業を効率化するのは上級者の定番となっている。Windows搭載のノートPCであれば、ゲーミング向けに開発された左手キーボードの複雑な機能を使用して制作環境を大幅に効率化することができるものの、タブレットに対応した左手キーボードはごく少数しかなく、選択肢が限られてしまう。
画面が小さい
そして、なにより最も深刻なのは、画面のサイズの小ささである。作業効率の観点からは、画面サイズは最低でも13インチ、可能ならば16インチ以上が望ましいが、タブレットの多くは10インチ以下であり、狭いスペースでの作業となるため、作業効率が落ちたり、目が疲れやすくなってしまう。
加えて、小さい画面で作業すると手首を使わないで描く癖がついてしまい、上達が難しくなってしまう。
10万円を超えるような価格帯では大型の画面を備えた機種もあるものの、同等価格でよりイラスト制作に適した高性能のノートPC(以下のリンク先にそのようなPCの例をまとめた)が購入できるため、合理的な選択肢とは言い難い。
低価格で購入できるイラスト向けPCの例>>
イラスト制作用タブレットは十分なスペックだが・・・
一方で、「イラスト用タブレット端末」としては、Wacom社のMobileStudio Proに代表されるプロ向け製品も存在する。
MobileStudio Pro(旧バージョンの製品)
こうした製品は、プロイラストレーターでも不満を感じないスペックを目安に設計されており、筆者の主観にはなるが、処理速度だけでなく、画面の質感やボタン類のクリック感についても不満はなく、部品構成についてもニーズに合わせて年々改良が重ねられているという印象を受ける。
※詳細なスペックは公式サイトの
したがって、作業効率や画力向上の面では、マイナス要素は特にないと言ってよい。
ただし、これらの製品は十分なスペックと描き心地を実現するため、どうしてもサイズや重量が大きくなりがちであるという欠点も存在している。
もちろん、主に自宅で使用するといった用途であったり、出かける際に自家用車を使うことが多いという生活スタイルであれば、これは全く問題にはならない。
だが、自転車や公共交通で出かけた先で頻繁に使用するといった用途で購入を検討している場合は、サイズや重量についてはよく確認する必要があるだろう。
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